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こどもNISAは途中で引き出せる?税金がかからない5つの例外

こどもNISAのお金は、小学6年生の12月までは原則として引き出せません。例外は、災害で持ち家が大きな被害を受けたときなど、政令で決まった5つの事情だけです。財務省の法律案要綱・税制改正大綱と、政令・省令の新旧対照表を読み、5つの事情の条件と手続きの流れを整理しました。

マリ

こどもNISAのお金って、小学生のうちでも税金なしで引き出せることはあるのかな?

ユキさん

持ち家が災害で大きな被害を受けたときなど、国が決めた5つの事情のときだけ引き出せます。そのときも、税務署で確認を受けてから、全部まとめて引き出すことになります。

マリ

共働きだと、どっちの親に起きたことが数えられるのかな?

ユキさん

税金の上で子どもを扶養に入れている方の親です。家計が苦しいというだけでは例外に当たらないので、急な出費には別の貯金を用意しておくと安心です。

この記事でわかること

  • 例外は政令で決まった5つの事情だけ
  • 税務署の確認を受け、全額を引き出す
  • 家計の苦しさや引っ越し費用は対象外
目次

小学6年生の12月までに税金なしで引き出せるのは、5つの事情のときだけ

0歳 小6の1月 高3の1月 原則、引き出せない 教育費・生活費なら引き出せる 自由に引き出せる 例外:政令で決まった5つの事情があるとき 税務署長の確認を受けて、口座の全額を 税金なしで引き出せる ※この例外は、小6の1月以降も使えます ※学年は目安。基準は「その年3月31日の年齢」です
小学6年生の12月までは原則引き出せず、例外は5つの事情だけ。小学6年生の1月からは教育費・生活費なら引き出せ、高校3年生の1月から制限がなくなります(財務省 法律案要綱・令和8年度税制改正の大綱をもとに作成)

小学6年生の12月までに税金なしで引き出せるのは、政令で決まった5つの事情があり、税務署長の確認を受けたときだけです。政令は、国が決める細かいルールのことです。事情に当たっても、口座の中身を全部まとめて引き出す形に限られます。

こどもNISAは、子どもの名前で投資信託を積み立て、増えた分に税金がかからない(非課税の)国の制度です。投資信託は、たくさんの人から集めたお金をまとめて、運用会社が多くの会社の株などに分けて投資する商品です。

法律では、引き出しの区切りは「その年3月31日に12歳である年」で、誕生日ではなく3月31日の年齢で数えます。学年でいうと、小学6年生の1月からは教育費か生活費に使う場合に引き出せ、高校3年生の1月からは制限がなくなります。段階ごとの決まりは、こどもNISAってなに?の記事にまとめました。

5つの事情の多くは、子どもを扶養している親に起きたことで数える

小6の12月までに引き出せる5つの事情 住んでいる持ち家が、災害で被害 家族の医療費が、1年で200万円超 扶養している親が死別・離婚し、ひとり親に 子どもか扶養している親が、特別障害者に 扶養している親が会社都合などで離職・廃業 全壊・流失・半壊・床上浸水など(賃貸は対象外) 扶養している親が払った、医療費控除の対象の分 その年末に「ひとり親」「寡婦」に当たる 身体障害者手帳の1級・2級など 特定受給資格者・特定理由離職者など どれも税務署長の確認が必要。引き出すのは全額
小学6年生の12月までに税金なしで引き出せる5つの事情。どれも税務署長の確認が必要です(財務省 租税特別措置法施行令の新旧対照表をもとに作成)

財務省の法律案要綱では、例外は「災害、疾病その他のやむを得ない事由」と書かれ、中身は政令で次の5つに決まりました。5つのうち4つは、「扶養者」に起きたことが条件です。

扶養者は、前の年の12月31日に、子どもを税金の上の扶養親族にしていた人です(その年に生まれた子は、その年の12月31日で決まります)。国税庁の説明では、16歳未満の子は扶養控除の対象ではありませんが、扶養親族には入ります。扶養者でない方の親が離職したり医療費を払ったりしても、政令の文では、その事情には当たりません。共働きの家では、子どもを扶養に入れているのがどちらの親か、勤め先に出した書類や確定申告で確かめておくと迷わずに済みます。

1. 住んでいる持ち家が、災害で大きな被害を受けた

子どもが住んでいる家が、災害で全壊・流失・半壊・床上浸水などの被害を受けた場合です。対象は、子ども本人か、家計が同じ家族(生計を一にする親族)が所有している家です。借りている家(賃貸)の被害は、この事情に当たりません。家計が同じ祖父母の持ち家に一緒に住んでいる場合は、対象になります。賃貸に住んでいて災害にあったときでも、ほかの4つの事情のどれかに当たれば例外になります。

2. 扶養している親が払った医療費が、1年で200万円を超えた

扶養者が、自分や家計が同じ家族のために、その年(1月から12月)に払った医療費が200万円を超えた場合です。数えるのは、所得税の医療費控除(1年間の医療費が多いときに税金が軽くなる仕組み)の対象になる医療費です。子どもの医療費だけでなく、扶養者自身の入院や治療の費用も合わせて数えます。

3. 扶養している親が、死別・離婚でひとり親などになった

扶養者が、配偶者と死別・離婚した場合や、配偶者の生死がわからなくなった場合です。ただし、その年の12月31日に、扶養者が税金の上の「ひとり親」か「寡婦」に当たることが条件です。ひとり親は、結婚していない親で、家計が同じ子がいる人です(寡婦は、夫と死別・離婚した女性が当たる、別の区分です)。国税庁の説明では、どちらも合計所得金額が500万円以下であることが要件なので、所得がこれを超える親は、離婚してもこの事情に当たりません。合計所得金額は、給料なら、収入から給与所得控除を引いた額です。

政令の文では、亡くなったり離婚したりした相手が、扶養者の配偶者であることが条件です。子どもを扶養に入れていた親本人が亡くなった場合は、政令の文に直接は書かれていないため、住所地の税務署に早めに確かめてください。

4. 子どもか扶養している親が、特別障害者になった

子ども本人か扶養者が、所得税の「特別障害者」に当たることになった場合です。国税庁の説明では、身体障害者手帳の1級・2級、精神障害者保健福祉手帳の1級、重度の知的障害と判定された人などが特別障害者に当たります。身体障害者手帳の3級以下などは「障害者」の区分で、特別障害者には当たりません。

5. 扶養している親が、会社都合などで離職した・事業を廃止した

扶養者が、雇用保険の「特定受給資格者」か「特定理由離職者」に当たることになった場合です。ハローワークの説明では、特定受給資格者は、倒産や解雇(本人の重い責任による解雇を除く)などで離職した人です。特定理由離職者は、契約の更新を希望したのに更新されなかった人や、病気・けが・家族の介護など正当な理由のある自己都合で離職した人です。自営業の扶養者が、経営が悪くなって事業を廃止した場合も含まれます。

例外で引き出すときは、先に税務署の確認を受ける

期限は「事情が起きた日」から数えます 1234 税務署に書面で申し出る 確認の書面を受け取る 書面を証券会社に出す 全額をまとめて引き出す 事情がわかる書類を付ける 税務署長が確認した旨の書面 口座のある証券会社へ 税金はかからない。一部だけは不可 11か月以内1年以内 ※申出書の様式・書類の名前は未発表(2026年9月30日時点)
事情が起きたら、11か月以内に税務署へ申し出て、確認の書面を1年以内に証券会社へ出し、全額を引き出します(財務省 租税特別措置法施行令・施行規則の新旧対照表をもとに作成)

例外で引き出すには、まず税務署長の確認を受け、その書面を証券会社に出します。順番と期限は、政令と省令(財務省が決めるさらに細かいルール)で、次のように決まっています。

  1. 事情が起きた日から11か月以内に、住所地の税務署へ書面で申し出る
  2. 税務署長が確認すると、確認したことが書かれた書面を受け取る
  3. 事情が起きた日から1年以内に、その書面を口座のある証券会社に出す
  4. 口座の投資信託とお金を、全部まとめて引き出す

税務署への書面には、子どもの氏名・生年月日・住所、口座のある証券会社の名前と所在地、事情の中身と起きた日を書きます。そして、事情が起きたことがわかる書類を付けることが決まっています。

事情が起きた日から1年を過ぎると、例外の扱いを受けられません。税務署への申し出の期限は11か月なので、事情が起きたら期限を待たずに申し出るのが確実です。例外で引き出すときは一部だけを残すことはできず、口座の全額をまとめて引き出します。

まだ発表されていないこと(2026年9月30日時点)

  • 税務署に出す申出書の様式
  • 付ける書類の具体的な名前(たとえば、市区町村が出す罹災証明書や、医療費の領収書で足りるか)
  • 医療費やひとり親のように1年単位で決まる事情で、「事情が起きた日」をいつと数えるか
  • 証券会社に書面を出す方法(ログイン画面か郵送か)
  • 全部を引き出したあと、同じ口座で積立を続けられるか

主なネット証券のこどもNISAの案内にも、この手続きの説明はまだありません。事情が起きたときは、口座のある証券会社と税務署に確かめることになります。

家計が苦しい、賃貸の家の被害などは、例外に当たらない

○ 例外に当たる × 当たらない 持ち家が災害で被害 医療費が年200万円超 離婚などでひとり親に 特別障害者になった 会社都合の離職・廃業 家計が苦しい 引っ越し・家の購入 賃貸の家の被害 親の病気だけ 転職のための退職 ※病気でも、医療費200万円超・特別障害者・離職の  条件に当たれば例外になります
例外に当たるのは5つの事情だけ。家計の苦しさ、引っ越しや住宅購入の費用、賃貸住宅の被害などは当たりません(財務省 租税特別措置法施行令の新旧対照表、国税庁・ハローワークの説明をもとに作成)

5つの事情に当たらない理由では、小学6年生の12月まで、税金なしでは引き出せません。たとえば、次のような場合は当たりません。

  • 家計が苦しくなった、急な出費がある
  • 引っ越しや、家を買うための費用が要る
  • 借りている家(賃貸)が災害で被害を受けた(ほかの4つの事情に当たらない場合)
  • 扶養者でない方の親が離職した
  • 扶養者が転職のために自分から退職した(正当な理由のある自己都合と認められない場合)
  • 合計所得金額が500万円を超える扶養者が離婚した

親の病気も、それだけでは5つの事情に入っていません。医療費が1年で200万円を超えた、特別障害者に当たった、病気で離職して特定理由離職者に当たった、のどれかになってはじめて例外になります。

当たらない理由でお金が必要になったときは、口座を解約することになります。実際には投資信託を売っていなくても、税金の計算では、その日に全部売ったのと同じ扱いになり(法律では「売ったものとみなす」と書かれています)、それまでの利益と分配金に、所得税15%と住民税5%の計20%がかかります(財務省の税制改正大綱)。分配金は、投資信託が利益の一部を持ち主に配るお金です。解約する時期ごとの税金の額は、こどもNISAの落とし穴の記事にまとめました。

子どもが小学6年生になるまでの急な出費は、こどもNISAからは出せない前提で、別の預金で備えておく方が安心です。家計の備えと子どものための積立をどう分けるか迷うときは、お金の専門家に相談する方法もあります。

子どもも海外に住むときは、5つの事情とは別の決まりがある

子どもも海外に住むとき 出国して解約する 親の転勤で一緒に出国 それまでの利益に 税金はかからない 出国前に届出を出す 一定の期間、非課税の まま保有できる (財務省の法律案要綱) 出国中は新しく買えない 扱いは会社で違う ※口座の持ち主は子ども。親だけの単身赴任の話ではありません ※こどもNISAでの各社の扱いは未発表(2026年9月30日時点)
子どもが出国して口座を解約しても、利益に税金はかかりません。親の海外転勤で一緒に出国するときは、出国前の届出で一定の期間、非課税のまま保有できる仕組みもあります(財務省 法律案要綱・省令の新旧対照表、金融庁 NISAのよくある質問をもとに作成)

5つの事情とは別に、子どもが海外に住むために出国して口座を解約する場合も、それまでの利益に税金はかかりません(財務省の法律案要綱)。口座の持ち主は子どもなので、親だけが単身で海外に赴任する場合の話ではありません。

親の会社の命令による海外転勤で子どもも一緒に出国するときは、出国する前に届出(継続適用届出書)を出すと、一定の期間、非課税のまま保有を続けられる仕組みもあります(国の省令)。金融庁の説明では、出国中は新しく買えず、この届出を扱うかどうかは金融機関によって違います。こどもNISAでの各社の扱いは、まだ発表されていません。

例外は、暮らしが大きく変わったときの出口。ふだんの備えは別の預金で

小学6年生の12月までに税金なしで引き出せるのは、災害・医療費・死別や離婚・特別障害・離職や廃業の5つの事情だけです。事情に当たっても、税務署長の確認を受け、事情が起きた日から1年以内に、全額をまとめて引き出す形に限られます。こどもNISAには高校3年生の1月まで使わないお金を入れ、急な出費には別の預金を用意しておくと、例外に頼らずに済みます。

この記事の要点 123 例外は、政令の5つの事情だけ 税務署の確認→1年以内に証券会社へ 家計の苦しさ・引っ越し費用は対象外 災害・医療費・死別や離婚・特別障害・離職 引き出すのは全額。税金はかからない 急な出費は、別の預金で備える
この記事の要点3つ(財務省 法律案要綱、租税特別措置法施行令・施行規則の新旧対照表をもとに作成)

あわせて読みたいこどもNISAとは?いつから始まる?大人のNISAとの違いと注意点

あわせて読みたいこどもNISAのデメリット・落とし穴7つ。親が使うとどうなる?

よくある質問

QこどもNISAは途中で引き出しできる?

小学6年生の12月まで(法律では「その年3月31日に12歳である年」より前)は、原則として引き出せません。例外は、政令で決まった5つの事情があり、税務署長の確認を受けて全額を引き出すときだけです。小学6年生の1月からは教育費か生活費に使う場合に、高校3年生の1月からは理由を問わず引き出せます。

QこどもNISAは災害のときに引き出せる?

子どもが住んでいる持ち家(子どもか、家計が同じ家族の持ち家)が、災害で全壊・流失・半壊・床上浸水などの被害を受けた場合は、税金なしで引き出せます。税務署長の確認を受け、その書面を事情が起きた日から1年以内に証券会社へ出し、全額を引き出す形です。借りている家(賃貸)の被害は、この事情に当たりません。

Q親が失業したら、こどもNISAを引き出せる?

税金の上で子どもを扶養している親が、倒産や解雇などで離職した「特定受給資格者」か、契約が更新されなかった・病気などで離職した「特定理由離職者」に当たる場合は、例外として引き出せます。扶養していない方の親の離職や、転職のために自分から退職した場合(正当な理由のある自己都合と認められない場合)は当たりません。

QこどもNISAの口座は、海外転勤になったらどうなる?

子どもも海外に住むために出国して口座を解約する場合、それまでの利益に税金はかかりません。親の会社の命令による海外転勤で子どもも出国するなら、出国する前に届出を出すと、一定の期間、非課税のまま保有できる仕組みもあります(出国中は新しく買えません)。こどもNISAでの各社の扱いは、まだ発表されていません。

Q例外の事情で引き出すと、税金はかかる?

かかりません。ルールに反して引き出したり口座を解約したりしたときにかかる約20%の税金は、災害などの例外の事情による場合には除かれます(財務省の法律案要綱)。

参考にした資料

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