マリ
私は自分のNISAで積立をしているけど、子どもの分は何が違うのかな?
ユキさん
こどもNISAと大人のNISAで一番違うのは、お金を引き出せる時期です。小学6年生の12月までは、原則として引き出せません。
マリ
家計のお金とは分けて考えた方がいいんだね。
この記事でわかること
- 税金がかからないのは、売って出た利益と分配金
- 年60万円・合計600万円、0〜17歳
- 引き出せる時期は3月31日の年齢で決まる
目次
NISA(ニーサ)は、投資で増えたお金に税金がかからないようにする国の制度です。こどもNISAは、それを子どもの名前で使えるようにしたものです。
こどもNISAでは、年60万円・合計600万円まで投資信託を積み立てられ、増えた分に税金がかかりません。 投資信託は、たくさんの人から集めたお金を1つにまとめて、運用会社が多くの会社の株などに分けて投資する商品です。
こどもNISAはいつから、誰が使える?
制度が始まるのは2027年1月で、使えるのは、その年の1月1日に18歳未満の子どもです。生まれた年から使えます。主なネット証券は、2026年10月1日から申込を受け付けます。口座ができるのは、税務署の審査を経た2027年1月以降です。
「こどもNISA」は通称で、国の資料では「つみたて投資枠の対象年齢の拡充」と呼ばれています。大人のNISAには、毎月決まった額で投資信託を買っていく「つみたて投資枠」と、株なども買える「成長投資枠」の2つの枠があります。こどもNISAは、このうち18歳以上しか使えなかったつみたて投資枠を、0歳から使えるようにしたものです。
口座は子どもの名義で、中の資産は子ども本人の財産です。とはいえ、0歳の子が自分で手続きをするわけではありません。申込や引き出しの手続きは、親権者が口座の管理者として行います。12歳を過ぎると本人が申し込める証券会社もあり、誰が何をするかは会社ごとに少しずつ違います。
大人のNISAとの違いは、年齢・上限・買えるもの・引き出し
大きな違いは、合計の上限が大人の3分の1の600万円であることと、18歳の年より前は自由に引き出せないことです。
| こどもNISA | 大人のNISA | |
|---|---|---|
| 使える人 | その年1月1日に0〜17歳 | 18歳以上 |
| 1年に投資できる額 | 60万円 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円 |
| 合計の上限 | 600万円 | 1,800万円 |
| 買えるもの | つみたて投資枠の対象の投資信託(積立だけ) | つみたて投資枠の投資信託と、成長投資枠の株など |
| 高校3年生の1月より前の引き出し | 原則できない(小学6年生の1月から条件つき) | 年齢による制限はない |
金額は大人の枠よりずっと小さいものの、年60万円は月にすると5万円です。児童手当は3歳未満で月15,000円なので、手当をそのまま積み立てても枠には余裕があります。
600万円の数え方にも特徴があります。財務省の法律案要綱では、前の年の12月末までに買った金額の合計に、その年に買った額を足して判断します。値上がりして中身が700万円になっていても、買った金額の合計が600万円に届くまでは、まだ買い足せます。
投資信託を売ったとき、その分の枠が翌年にまた使えるようになるかは、まだはっきりしていません。大人のNISAでは翌年に使えるようになり、法律の書き方からは、こどもNISAも同じに読めます。
こどもNISAのお金は、いつから引き出せる?
こどもNISAのお金は、18歳の年より前は原則として引き出せません。財務省の法律案要綱と令和8年度の税制改正大綱では、次のように段階が決まっています。
| 時期(法律の言い方) | 学年でいうと | 引き出せる場合 |
|---|---|---|
| 「その年3月31日に12歳である年」より前 | 小学6年生の12月まで | 災害などやむを得ない事情があり、税務署長の確認を受けて全額を引き出すときだけ |
| 「その年3月31日に12歳である年」から | 小学6年生の1月から | 上に加えて、子どもの教育費か生活費に使うとき |
| 「その年3月31日に18歳である年」の1月1日から | 高校3年生の1月から | 制限なし |
12歳の年より前の「やむを得ない事情」は、国が決める細かいルール(政令)で決まっています。子どもが住む持ち家が災害で大きな被害を受けた、子どもを扶養している親が払った家族の医療費が1年で200万円を超えた、その親が配偶者と死別・離婚してひとり親などになった、子どもかその親が特別障害者になった、その親が会社都合で失業したり経営が悪くなって事業をやめたりした、の5つです。5つの事情のくわしい条件と手続きの流れは、こどもNISAは途中で引き出せる?の記事にまとめました。
12歳の年からは、教育費や生活費に使うためなら引き出せます。税制改正大綱では、お金の使い道が子どものためであることと、子どもが引き出しに同意したことを示す書面をつけて、親権者が金融機関に申し出る形です。書類に書く項目は国のルールで決まりましたが、同意書の様式や、領収書などの添付書類の中身、各社の手続き方法は、まだ発表されていません。
ルールに反して引き出したり、途中で口座を解約したりすると、実際には売っていなくても、税金の計算ではその日に全部売ったのと同じ扱いになります。そのとき、それまでの利益と分配金(投資信託から受け取るお金)に税金がかかります。大綱では所得税15%と住民税5%です。税金がかからなかった分が、あとから取り消される形です。
「12歳の誕生日」「18歳の誕生日」ではありません
引き出せる時期は、誕生日ではなく「その年の3月31日に何歳か」で決まります。学年でいうと、小学6年生の1月と、高校3年生の1月が区切りです。一方、子どもの口座が大人のNISAに移る年は1月1日の年齢で決まるので、基準日が違います。
18歳の年からは、手続きなしで大人のNISAに移る
こどもNISAの枠は、1月1日に18歳未満の年だけ設けられます。そのため、その年の1月1日に18歳である年から、子どもの口座は大人のNISAに変わります。手続きは要らず、自動で大人のつみたて投資枠に移ります。三菱UFJ eスマート証券のように積立の設定も引き継ぐと案内している会社もありますが、細かい扱いは会社ごとに異なります。
ここでも基準日のずれがあります。大人のNISAに移るのは1月1日の年齢、引き出しの制限が外れるのは3月31日の年齢で決まるため、1〜3月生まれの子は、この2つが1年ずれます。
600万円の枠は、国の資料の図では1,800万円の枠へ「自動的に移行」すると描かれ、1,800万円に上乗せされるわけではないと説明する証券会社もあります。1,800万円の中に含まれる見込みですが、まだ確定していません。
税金がかからないのは、売ったときの利益と分配金。ここは大人のNISAと同じ
非課税(税金がかからないこと)になるのは、投資信託を売ったときの利益と、分配金の2つです。この範囲は、大人のNISAと変わりません。
普通の証券口座では、こうした利益に20.315%の税金がかかります。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。例えば10万円の利益が出たとき、普通の口座では20,315円が引かれますが、こどもNISAの口座ならそのまま10万円が残ります。
子どもの口座は、大人の口座より運用する期間が長くなりがちです。0歳から始めると、引き出しの制限が外れるまで18年ほどあります。月1万円を0歳から18歳まで(216か月)積み立て、年5%で増えたと仮定します。年5%は、100万円が1年で105万円になる増え方です。この場合、18歳の時点で約345万円、そのうち増えた分は約129万円です。普通の口座なら約26万円の税金がかかる計算です。
弱点もあります。NISAの口座で出た損失はなかったものとされ、ほかの口座の利益と差し引き(損益通算)できません。値下がりしたところで売った場合、その損は税金の計算に使えません。
こどもNISAに向くのは、18歳の年まで使わないお金
こどもNISAに向くのは、子どものために18歳の年まで引き出さなくてよいお金です。増えた分に税金がかからないうえ、子どものお金を家計から切り離して置いておけます。うちのように児童手当が親の口座で生活費と混ざっている家でも、子どもの名前の口座に入れて18歳の年まで簡単には引き出せない形にしておけば、いつの間にか使っていた、ということは起きにくくなります。手当の扱い方は児童手当はこどもNISAに入れる?の記事にまとめました。
反対に、家計に戻すかもしれないお金には向きません。1つの会社の株(個別株)は買えません。理由はこどもNISAで何を買う?の記事にまとめました。値下がりして投資したお金より減ることもあり、途中で口座を解約すると利益に税金がかかります。口座は子ども1人に1つで、あとから金融機関を変えることもできません。詳しくはこどもNISAの口座はどこがいい?の記事にまとめました。
こどもNISAは、子ども名義で、引き出しに決まりのある非課税の積立です
こどもNISAは、子どもの名前で投資信託を積み立てて、増えた分に税金がかからないようにする制度です。大人のNISAと違うのは、年60万円・合計600万円という上限と、12歳の年・18歳の年を区切りにした引き出しのルールです。どこで開くか、何を積み立てるかは、この2つを押さえてから考えれば間に合います。
よくある質問
QこどもNISAはいつから始まる?
制度が始まるのは2027年1月です。主なネット証券は2026年10月1日から申込を受け付けます。口座ができるのは、税務署の審査を経た2027年1月以降です。
QこどもNISAはいくらまで非課税?
1年に60万円、合計600万円までです。600万円は買ったときの金額で数えるので、値上がりして中身が600万円を超えても、買った金額の合計が600万円に届くまでは買い足せます。税金がかからないのは、売ったときの利益と分配金(投資信託から受け取るお金)です。普通の口座なら、この利益に20.315%の税金がかかります。
QこどもNISAのお金はいつから引き出せる?
小学6年生の1月(法律では「その年3月31日に12歳である年」)からは、教育費か生活費に使う場合に引き出せます。高校3年生の1月からは制限がなくなります。誕生日ではなく3月31日の年齢で決まる点に注意してください。
Q子供NISAはやったほうがいい?
18歳の年まで引き出さなくてよいお金を、子どものために積み立てたい家庭なら、増えた分に税金がかからない点が役に立ちます。一方で、小学6年生の1月より前は原則として引き出せません。また、買えるのは投資信託(運用会社が集めたお金で株などに投資する商品)なので、投資したお金より減ることもあります。家計に戻すかもしれないお金には向きません。学資保険と比べるなら学資保険とこどもNISAはどっちがいい?の記事にまとめました。
Q子供ニーサの落とし穴は?
大きいのは、18歳の年より前は自由に引き出せないことと、あとから金融機関を変えられないことです。ルールに反して引き出したり、途中で口座を解約したりすると、それまでの利益と分配金に税金がかかります。1つの会社の株(個別株)が買えない点も含めて、こどもNISAの落とし穴の記事にまとめました。