学資保険

学資保険とこどもNISAは併用できる?役割の分け方と配分の考え方

学資保険とこどもNISAは、受け取る額の決まり方も、親に万一のことがあったときの保障があるかどうかも違います。金融庁のNISAの案内と生命保険文化センターの説明を読み、両方を使えるのか、使うならどう分けるかを整理しました。

マリ

学資保険とこどもNISA、両方使ってもいいの?どっちか1つを選ぶものだと思ってた。

ユキさん

両方使えます。学資保険に入っていても、こどもNISAの口座は開けます。

マリ

私のつみたてNISAで学費をためるのでも、同じことにならない?

ユキさん

お金を積み立てる点は同じです。ただ、学資保険は受け取る額が決まっていて、親が亡くなってもその後の保険料を払わずに学資金を受け取れます。親のNISAには、どちらもありません。

この記事でわかること

  • 併用できるか(制度上の制限の有無)
  • 学資保険とこどもNISAの役割の分け方
  • 家計の中での配分の考え方
目次

学資保険とこどもNISAは、1人の子どもに両方を同時に使えます。学資保険は、毎月保険料を払い、子どもの進学のころに決まった額を受け取る保険です。こどもNISAは、子どもの名前で投資をして、増えた分に税金がかからない国の制度です。学資保険は、受け取る額が契約で決まっています。こどもNISAは、増えることも減ることもあります。両方使うなら、たとえば大学に入る年に必ず要る分を学資保険で用意し、それより先のお金をこどもNISAで育てる、という分け方ができます。

併用はできる。こどもNISAの条件に「保険に入っていない」はない

こどもNISAの口座を開く条件 0〜17歳 日本に住んでいる 1人1口座 その年1月1日の年齢で判定 金融機関は1つだけ 条件に入っていないもの 学資保険に入っているか 入っていても、こどもNISAの口座は開ける 保険料は、年60万円の枠とは別に考える
こどもNISAの口座を開く条件と、学資保険との関係(金融庁「NISAを知る」、財務省の法律案要綱、楽天証券の案内をもとに作成)

大人のNISAの口座は、日本に住んでいる18歳以上なら誰でも開設でき、1人1口座です。2027年1月から始まるこどもNISAは、この年齢の下限をなくし、0〜17歳でも口座を開けるようにしたものです。1人1口座なのはこどもNISAも同じで、複数の金融機関には開設できません。

条件の中に、学資保険に入っていないことや、預金がないこと、といった項目はありません。学資保険に入っている子どもでも、こどもNISAの口座は開けます。

枠の数え方も別々です。年60万円の枠は、こどもNISAの口座で買った投資信託の額で数えます。投資信託は、たくさんの人から集めたお金をまとめて、運用の専門家が多くの会社の株などに分けて投資する商品です。学資保険の保険料はこの枠とは関係がないので、学資保険に入っているからといって、こどもNISAに入れられる額が減ることはありません。

両方使うなら、どう分ける?「いつ・いくら要るか」から考える

子どものためのお金 決まった額と保障がほしい分 増える可能性を取りたい分 学資保険 こどもNISA 額が契約で決まる 親に万一のときは 保険料が免除(一般的) 決まった時期に受け取る 払った額を下回る 契約もある 相場で増えも減りもする 元本保証はない 小6の1月から 教育費・生活費に使える 安全・増える・すぐ使える、全部そろう商品はない
併用するときの役割の分け方(生命保険文化センター「こども保険(学資保険)」、投資信託協会「投資信託の安全性」、財務省の法律案要綱をもとに作成)

学資保険は受け取る額が契約で決まり、親が亡くなった場合などには、一般的にその後の保険料を払わなくてよくなります。これを払込免除といいます。学資保険を考えたこともなかった私は、この仕組みを調べて初めて知りました。ただ、決まった額が払った保険料の合計を上回るとは限らず、条件によっては下回ることもあります。

こどもNISAで買う投資信託は、元本(入れたお金そのもの)が保証されていません。値段は毎日変わり、増えることも減ることもあります。親に万一のことがあると、その先の積み立ては止まります。学資保険のように、決まった額が用意される仕組みはありません。株価指数(日経平均のように、多くの会社の株価をまとめた数字)がこれまで上がってきたのは過去の実績で、将来を約束するものではありません。くわしい比べ方は学資保険ってなに?の記事にまとめました。

安全さ・増えやすさ・すぐ現金にできるか、の3つが全部そろった金融商品はない、と金融庁は「資産形成の基本」で説明しています。学資保険が強いのは安全さです。こどもNISAが強いのは増えやすさです。どちらも、途中ですぐ現金にするのには向きません。

123 使う時期と額が見えているお金 先のことで、額も決まらないお金 どちらも途中で戻しにくい → 決まった額で用意する → 増える可能性を取る(こどもNISA) → 生活のお金は別に分けておく 例:国立大4年の授業料と入学料 約243万円 相場が下がった年と重なることもある 途中解約で減る/小6の1月まで引き出せない ※何割ずつという決まった答えはありません
配分を考える順番の一例(金融庁「資産形成の基本」、ソニー生命「学資保険」、財務省の法律案要綱、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令をもとに作成)

同じ「資産形成の基本」は、お金が必要になる時期と金額を考え、そのときの資産の状況やライフプランに合わせて「貯蓄」と「投資」を使い分けるよう勧めています。これに沿って、配分は次の順番で決めていきます。

最初に考えるのは、使う時期と額が見えているお金です。たとえば国立大学の授業料と入学料は、国が決めた標準額で、4年分で約243万円です。大学に入る年は、子どもの生まれた年からおおよそ決まります。こうした「この時期に、最低これだけ」というお金は、預金や学資保険のように、受け取る額が決まっている方法で用意する、という考え方があります。預金・学資保険・こどもNISA・親のNISAの4つを同じ物差しで比べ、入学の年の額から毎月いくら要るかを逆算した表は、教育資金の貯め方は?の記事にまとめました。

次に考えるのは、まだ先のことで、額も決まっていないお金です。塾や留学、下宿など、使うかどうかも分からないお金は、増える可能性を取るこどもNISAで積み立てる、という分け方ができます。相場が大きく下がった年と使う年が重なることもあります。過去の下落の例は、こどもNISAで何を買える?の記事にまとめました。

最後に気をつけたいのは、どちらも途中で引き出しにくいことです。学資保険は、途中で解約すると、戻ってくるお金が払った保険料の合計を下回ることがあります。こどもNISAは、小学6年生の1月より前は原則として引き出せません。すぐに使う生活のお金とは分けて、途中で解約したり引き出したりしなくても困らない額にしておきます。

払込免除は、親に万一のことがあったときの備えです。親の生命保険で十分な備えがあれば、学資保険の払込免除に頼る部分は小さくなります。手当をどう回すかは児童手当はこどもNISAに入れる?、積み立てた額が18歳でいくらになるかは18歳でいくらになる?で試算しています。

親が自分のNISAで積み立てれば、学資保険の代わりになる?

学資保険 こどもNISA 親のNISA 教育費のために積み立てる 受け取る額が決まっている 親に万一のとき保険料が免除 使える時期 契約で決まった時期 小6の1月から 親が決める 親のNISAが代わりになるのは、積み立ての部分だけ
学資保険、こどもNISA、親のつみたてNISAの違い(生命保険文化センター、金融庁「NISAを知る」「NISA よくある質問」、財務省の法律案要綱をもとに作成)

親が自分の名前のNISAで、教育費を積み立てる考え方もあります。大人のNISAには、毎月決まった額で投資信託を買っていく「つみたて投資枠」があり、これを使う形です。教育費のためにお金を積み立てる、という役割は学資保険と重なります。ただ、代わりにならないところが2つあります。

まず、受け取る額が決まっていません。親のNISAで買うのも投資信託なので、こどもNISAと同じく相場で変わります。次に、親が亡くなると、その先の積み立ては止まります。学資保険なら、その後の保険料を払わなくても、予定の学資金を受け取れます。

一方で、親のNISAならではの面もあります。中のお金は親のものなので、いつ売るか、何に使うかを親が決められます。そのぶん、教育費のつもりで積み立てたお金が、ほかの出費に回ってしまうこともありえます。

もう一つ、枠を分け合う点があります。大人のNISAは、つみたて投資枠で1年に投資できるのが120万円までです。一生のうちに投資できる上限は、NISA全体で1,800万円です。子どもの教育費と親自身の老後などの積み立てが、同じ枠の中に入ることになります。

祖父母が出す場合も含めた贈与税の考え方は、祖父母からこどもNISAにお金を入れるときの記事にまとめました。

分け方は「何に備えるお金か」で決める

学資保険とこどもNISAは、両方を同時に使えます。大学に入る年の学費のように、時期と額が決まっているお金は、預金や学資保険で用意します。塾や留学のように、使うかどうかもまだ分からないお金は、こどもNISAで積み立てます。どちらも途中で引き出しにくいので、すぐに使う生活のお金は別に残しておきます。

この記事の要点 1 2 3 学資保険とこどもNISAは併用できる 両方使うなら、役割で分ける 配分は「いつ・いくら要るか」から 口座を開く条件に、保険のあるなしは入らない 決まった額と保障/増える可能性 どちらも戻しにくい。生活のお金は別に 親のNISAは、学資保険の保障の代わりにならない
この記事の要点

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よくある質問

Q学資保険と子供NISAは併用できますか?

できます。こどもNISAの口座を開く条件は年齢と日本に住んでいることで、学資保険に入っているかどうかは関係ありません。学資保険の保険料は、こどもNISAの年60万円の枠とも別に考えます。

Q学資保険とこどもNISAの配分は、どう決める?

大学に入る年の学費のように、時期と額が見えているお金は、預金や学資保険で用意します。塾や留学のように、先のことで額も決まっていないお金は、こどもNISAで積み立てます。どちらも途中で引き出しにくいので、生活のためのお金とは分けておきます。

Q積立NISAは学資保険の代わりになる?

教育費を積み立てるという役割は重なります。ただ、受け取る額が決まっていないことと、親に万一のことがあったときに保険料が免除されるような保障がないことは、代わりになりません。親のNISAのお金は親のものなので、教育費に使うかどうかも親が決めることになります。

参考にした資料

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