マリ
私のNISAに枠が残っているなら、子どもの分もそこで積み立てればいいのかな?
ユキさん
学費を親が払うつもりなら、親のNISAで足りることも多いです。どちらのNISAでも、増えた分に税金はかかりません。
マリ
じゃあ、こどもNISAを使うのはどんなとき?
ユキさん
入れたお金を子どものものにして、途中で使えない形にしておきたいときです。親のNISAの枠が足りなくなりそうなときにも使えます。
この記事でわかること
- 同じ額なら18歳の額は同じ。違いは時期と名義
- 親のNISAで足りる家庭の条件
- こどもNISAが向く家庭の条件
目次
親のNISAに枠が残っていて、学費を親が払うつもりなら、まず親のNISAで足りることが多いです。親のNISAのお金は親のものなので、いつでも売れて、入学金や授業料を親がそのまま払えます。こどもNISAが向くのは、親の枠を親自身の老後の積み立てなどで使い切りそうな家庭と、子どものお金を家計から切り離しておきたい家庭です。ここでいう親のNISAは、親が自分の名前で使う大人のNISAのことです。こどもNISAで投資できるのは2027年1月からで、親のNISAは今から使えます。
どちらのNISAでも税金はかからない。同じ額を積み立てれば18歳の額も同じ
NISAは、投資で増えたお金に税金がかからない国の制度です。こどもNISAでも親のNISAでも、投資信託を売ったときの利益と分配金に税金はかかりません。投資信託は、たくさんの人から集めたお金をまとめて、運用会社が多くの会社の株などに分けて投資する商品です。分配金は、投資信託が利益の一部を持ち主に配るお金です。普通の証券口座なら、利益に20.315%の税金がかかります。
同じ投資信託を同じ額だけ買えば、18歳の時点の額はどちらのNISAでも変わりません。0歳から月3万円を積み立てる場合で計算しました(こどもNISAで投資できるのは2027年1月からです)。月3万円で600万円満額まで積み立て続けると、こどもNISAの上限の600万円に200か月(16年8か月)で届きます。そのあとは積み立てずに持つだけで、18年で648万円入れることにはなりません。親のNISAでも、同じ時期に同じ額を投資する計算です。
株価指数は、たくさんの会社の株価をまとめて、市場全体の値動きを1つの数字にしたものです。全世界株式の指数の、2000年末からの約26年の実績(年7.48%)に近い年7.5%と仮定すると、18歳の時点ではどちらも約1,275万円です。
| 増え方の仮定 | こどもNISA・親のNISA | 普通の口座で売った手元 |
|---|---|---|
| 年3% | 約806万円 | 約764万円 |
| 年5% | 約986万円 | 約908万円 |
| 年7.5% | 約1,275万円 | 約1,138万円 |
普通の口座で18歳の時点に全部売ると、年7.5%の場合で約137万円の税金がかかります。NISAを使うかどうかでは差が出ますが、こどもNISAと親のNISAの間では差が出ません。指数の数字はドルで数えた過去の実績で、将来を約束するものではありません。円で買う投資信託は、為替の動きと手数料の分だけ、この計算からずれます。
金額で差がつかないので、どちらに入れるかは、引き出せる時期とだれのお金になるかで決めます。
違うのは、引き出せる時期・名義・枠・買えるもの
大人のNISAには、毎月決まった額で投資信託を買う「つみたて投資枠」と、株なども買える「成長投資枠」があります。
| こどもNISA | 親のNISA | |
|---|---|---|
| 引き出せる時期 | 小6の1月から教育費・生活費、高3の1月から制限なし | いつでも |
| だれのお金か | 子ども(入れたお金は子どもへの贈与) | 親(贈与にならない) |
| 1年に投資できる額 | 60万円 | 360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円) |
| 合計の上限 | 600万円 | 1,800万円(売った分は翌年以降に戻る) |
| 買えるもの | つみたて投資枠の対象の投資信託を積立で | 上に加えて、株や、より広い範囲の投資信託 |
| 親が亡くなったとき | 子どもの財産のまま、こどもNISAに残る | 相続の対象になり、受け取る人の普通の口座へ |
| 1月1日に18歳になっている年から | 子ども本人の大人のNISAへ移る | 親のNISAのまま |
こどもNISAのお金は、小学6年生の12月までは原則として引き出せません。小学6年生の1月からは子どもの教育費か生活費に充てるときだけ、高校3年生の1月からは制限なく引き出せます。こどもNISAの中で投資信託を売ることはいつでもできますが、売ったお金も専用の口座で管理され、自由には引き出せません。決まりの細かいところはこどもNISAとは?の記事にまとめました。親のNISAは、いつ売っても、売ったお金をいつ使っても自由です。
こどもNISAの口座は子どもの名義で、中のお金は子どもの財産です。親が入れたお金は、税金の上では子どもへの贈与(お金をあげること)になります。贈与税は、もらう人ごとに1年110万円まではかかりません。こどもNISAの年60万円だけなら、この範囲に収まります。ほかの贈与と合わせて数える点はこどもNISAの贈与税は?の記事にまとめました。親のNISAは親が自分のお金で買うので、贈与になりません。
親のNISAで1年に投資できるのは、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円です。一生で投資できる上限は1,800万円です。売った分は、買ったときの金額の分だけ、翌年以降にまた使えます。こどもNISAの年60万円・合計600万円は、親の枠とは別の、子どもの名前の枠です。子どもの600万円の枠は、18歳の年から子ども本人の1,800万円の枠へ自動的に移ります。1,800万円の中に含まれる見込みですが、まだ確定していません。
こどもNISAで買えるのは、国が長い積立に向くと決めた投資信託だけで、毎月などの積立で買います。1つの会社の株(個別株)は、こどもNISAでは買えません。親のNISAの成長投資枠なら株も買えますが、その株は親の財産です。私も、この子が大人になるころに伸びていそうな会社の株を買うなら、親のNISAの成長投資枠になると知りました。どの投資信託を扱うかの違いはこどもNISAで買える投資信託は?の記事にまとめました。楽天カードと三井住友カードは、18歳未満はカードを作れないため、こどもNISAではクレカ積立を使えないと案内しています。
親が亡くなると、親のNISAの中身は親の財産として相続の対象になります。受け取った人のNISAには移せず、その人の普通の口座(特定口座など)に入ります。だれが受け取るかは相続の分け方で決まり、子どもとは限りません。こどもNISAのお金は、親が亡くなっても子どもの財産のまま、こどもNISAに残ります。亡くなった親が出していた分の積み立ては、どちらのNISAでも止まります。
親のNISAで足りるのは、学費を親が払うつもりで、枠に余裕がある家庭
親のNISAで足りることが多いのは、次の3つが当てはまる家庭です。
- 大学の学費は、親が払うつもりでいる
- 親自身の積み立てと子どもの分を合わせても、1年360万円・一生で1,800万円の枠に収まる
- 進路や家計が変わったら、お金の使い道を変えたい
親のNISAなら、大学の入学金も授業料も、親が自分のNISAを売ったお金からそのまま払えます。子どもにお金を渡すわけではないので、贈与の心配もありません。進学しなかったり、学費が予定より少なく済んだりしたときは、残ったお金を親の老後などに回せます。売った分の枠は翌年以降に戻るので、学費を払い終えたあとは、親が自分の積み立てに使えます。
一方で、親のNISAには、教育費の分と親自身の分が同じ口座に入ります。教育費のつもりで積み立てたお金を、家計の急な出費に使ってしまうこともあります。親のNISAの中身を、あとで子どものNISAにそのまま移すこともできません。NISAで持っている投資信託を子どもにあげると、子どものNISAには入らず、子ども名義の普通の口座に入ります。親のNISAで売ったお金を子どもにあげて、子ども名義の口座に移せば、こどもNISAで買えます。このときは子どもへの贈与になり、こどもNISAで買えるのは1年60万円までです。
教育費を預金や学資保険とどう分けるかは、教育資金の貯め方は?の記事で比べました。親のNISAが学資保険の代わりになるかは、学資保険とこどもNISAは併用できる?の記事にまとめました。
こどもNISAが向くのは、親の枠が埋まりそうな家庭と、お金を分けておきたい家庭
1つ目は、親のNISAの枠を、親自身の積み立てで使い切りそうな家庭です。たとえば親が自分の分を月7万円、子どもの分を月3万円積み立てると、合わせて年120万円でつみたて投資枠を使い切ります。15年で1,800万円に届き、あふれた分を普通の口座で積み立てると、利益に20.315%の税金がかかります。こどもNISAを使えば、親の枠とは別に、子どもの名前で年60万円・合計600万円まで投資できます。この600万円は、18歳からの子ども本人の1,800万円の枠に含まれる見込みです。
2つ目は、子どものお金を家計から切り離して、途中で使えない形にしておきたい家庭です。わが家は、児童手当が親の口座に入ったまま、家計のお金と混ざっています。親のNISAに移しても、親のお金であることは変わりません。こどもNISAのお金は、小学6年生の12月まで原則として引き出せません。家計の出費に回ってしまうことが起きにくくなります。手当の扱い方は児童手当はこどもNISAに入れるべき?の記事にまとめました。
祖父母が出すお金の扱いは、こどもNISAの贈与税は?の記事にまとめました。
ただ、こどもNISAに入れたお金は、親の都合では家計に戻せません。途中で口座を解約すると、それまでの利益に税金がかかります。1月1日の時点で18歳になっている年からは、子ども本人の大人のNISAに移ります。入れる前に知っておきたいことは、こどもNISAのデメリット・落とし穴7つの記事にまとめました。
こどもNISAと親のNISAは、同じ家庭で両方使えます。たとえば、児童手当の額はこどもNISAに入れ、それより多く積み立てる分は親のNISAに入れる、という分け方もできます。
学費を親が払い、枠に余裕があるなら親のNISA。分けておきたいお金はこどもNISA
同じ投資信託に同じ額を積み立てれば、どちらのNISAでも18歳の時点の額は同じです。学費を親が払うつもりで、親の枠に余裕があるなら、いつでも引き出せる親のNISAで足ります。親の枠が足りなくなりそうなときや、子どものお金を家計と分けておきたいときは、こどもNISAを使います。
よくある質問
QこどもNISAと親のNISAはどっちに入れる?
親のNISAに枠が残っていて、学費を親が払うつもりなら、親のNISAで足りることが多いです。こどもNISAが向くのは、親の枠を親自身の積み立てで使い切りそうな家庭や、子どものお金を家計と分けて、途中で使えない形にしておきたい家庭です。どちらのNISAでも、増えた分に税金はかかりません。
Q親のNISAで子どもの学費を積み立ててもいい?
積み立てられます。親のNISAのお金は親のものなので、いつでも売れて、入学金や授業料を親がそのまま払えます。子どもにお金をあげるわけではないので、贈与にもなりません。そのぶん、家計の急な出費に使ってしまうこともあります。
Q親から子へNISA口座を贈与できる?
NISAの口座そのものを、親から子どもへ移すことはできません。NISAで持っている投資信託や株を子どもにあげても、子どものNISAには入らず、子どもの普通の口座(特定口座など)に入ります。こどもNISAで買えるのは、子ども名義の口座にあるお金です。
QこどもNISAと親のNISAは両方使える?
使えます。こどもNISAの年60万円・合計600万円は、親のNISAの年360万円・合計1,800万円とは別の、子どもの名前の枠です。親の枠が埋まっていても、子どもの名前で600万円まで非課税で投資できます。
積立の計算
いくらになるか、計算してみる
18歳でいくらになる?かんたん計算
入れたお金
-
18歳のときの目安
-
増えた分
-
2027年1月から始めて、18歳になるまで毎月積み立てた場合の単純な計算です(2027年1月の年齢は、いまの年齢に半年を足して計算。「2027年以降に生まれる」は、生まれた月から216か月積み立てた場合。毎月複利、手数料は入れていません)。こどもNISAの上限(年60万円・合計600万円)を超える分は入れていません。増えた分は、こどもNISAの中なら税金がかかりません。実際の運用成果は相場によって上下し、元本割れすることもあります。大学の学費は、入学料・授業料・施設設備費の4年分です(国立は省令の標準額、私立は文部科学省の令和7年度入学者の平均。下宿は日本政策金融公庫の2021年の調査)。受験料・通学費・教科書代は入っていません。くわしくは教育費はいくら?の記事にまとめています。
参考にした資料
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「NISA よくある質問」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」
- 財務省「所得税法等の一部を改正する法律案要綱」
- 日本証券業協会「0歳からNISA口座が開設できるようになります!」(2026年4月時点の法令を基に作成)
- 日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」(2025年9月)
- 国税庁 タックスアンサー No.4402 贈与税がかかる場合
- 国税庁 タックスアンサー No.4405 贈与税がかからない場合
- 国税庁 タックスアンサー No.4105 相続税がかかる財産
- 三井住友カード「こどもNISAのクレカ積立について」
- MSCI ACWI Index ファクトシート(2026年8月31日版)